SPECIAL

監督・シリーズ構成神保昌登

神保監督が普段、監督としてアニメを制作する際に意識している事はありますか。

登場人物や物語が前に押し出されるよう、あまり派手な演出はしないよう意識しています。

本作への参加を決めたきっかけを教えてください。

原作プレイ済みのドンピシャ世代でファンでもあったため、是非にと参加させていただきました。

本作のシリーズ構成について、力を入れた点(こだわった点)はありますか。

宝石泥棒編でゲーム攻略上必要なルートは決まってますので大枠の道筋は必然的でした。
今回は二人の主人公シャイロとセラフィナ。二人の性格、設定を作っていくのが私達の大きな課題でしたし、そこに注力して構成しています。

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本作で特に注目して欲しい部分があれば教えてください。

主にサンドラとセラフィナの心情です。単純に善悪の分かれたテーマの作品ではないので、
言葉や行動だけでなくキャラクター達の「思い」に注目して欲しいです。

本作を見てくれたファンの方々へ一言お願いします。

スタッフ一同、誠心誠意制作しておりました。楽しんでいただけたのなら幸いです。
ご視聴いただきありがとうございました!

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アニメーションキャラクターデザイン・総作画監督池上たろう

池上さんが普段、アニメーションキャラクターデザイン・総作画監督としてアニメを制作する際に意識している事はありますか。

僕がアニメーションのキャラクターデザインをする上で一番大事にしていることは、原作の世界観を壊さないようにする事です。
アニメを観た原作ファンの方々が違和感なくアニメの世界に入って行ける様に、原作の絵の魅力をいかに伝える事が出来るかを常に考えながらデザインしています。

原作ゲーム「聖剣伝説 LoM」からアニメのキャラクターデザインを作るうえで、力を入れた点(こだわった点)はありますか。

とにかくまず、頭身ですね!
ゲーム原作のイラストをアニメ用に頭身の高いデザインにするにあたって、いかに原作の絵のニュアンスを伝えつつまとめる事が出来るかに一番力を入れました。
そして頭の大きさ!!
アニメでは、複数の種族のキャラクターが一つの画面の中で会話をするのですが、みんな頭の大きさ違う!(笑)
カペラやドゥエル、ニキータといった個性豊かなファ・ディールの住人達が一堂に会した時に違和感のない画面作りが出来るように心掛けました。

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本作の総作画監督を務めるうえで、力を入れた点(こだわった点)はありますか。

最近のアニメーションは抑揚を抑えた細い線が多く使われている傾向にあるのですが、
『聖剣伝説 LoM』ではやはり、線の強弱やタッチを活かした絵作りの方が世界観に合っていると思い、あえて線の印象が強く残るように描かせて頂きました。
それとゲームでは中々表現しきれないキャラクター達の多様な表情の変化…それもアニメーションの醍醐味の一つだと思いますので、その辺りも是非観ていただけたらと思います。

本作で特に注目して欲しい部分があれば教えてください。

本作品は宝石泥棒サンドラの行動から物語が始まるのですが、そこに至るまでのサンドラの心の軌跡やセラフィナの胸中こそがテーマの一つでもあると思います。
それぞれの登場人物達の行動の奥にある心のバックグラウンドにも思いを馳せてもらえると、また味わい深く物語を楽しんで頂けるかと思います。

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本作を見てくれたファンの方々へ一言お願いします。

子供の頃に初めてゲームをプレイした方も、アニメで初めて作品を知った方も、どちらの方々でも楽しんで頂ける映像作品に仕上がっております。
是非この機会に「聖剣伝説 LoM」の世界を存分に堪能して頂けたらと思います!


美術監督栫ヒロツグ(鹿児島ラメカヒリム)

美術監督とはどのようなお仕事でしょうか。

監督をはじめ様々な方から世界観に関する意見が出ます。現場の状況を鑑み着地点を提案します。
その後は、多数の背景作業をして頂く方たちの仕事がしやすいように取りまとめをする仕事です。

原作ゲーム「聖剣伝説 LoM」の独特な世界観をアニメに落とし込む際に、力を入れた点(こだわった点)はありますか。

本来「聖剣伝説 LoM」では磯野宏夫先生(聖剣伝説2~4などのメインビジュアルを制作)の木はないのですが、先生の木を出来る範囲で参考にさせていただきました。

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本作で特に注目して欲しい部分があれば教えてください。

エンディング大変だったので見て頂けたら嬉しいです。
エンディングでグッズ作っていただけないかなあマリーナ可愛く塗れたんですよねえ

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本作を見てくれたファンの方々へ一言お願いします

ご視聴誠にありがとうございます。


CG監督新田祥子(トライスラッシュ)

CG監督とはどのようなお仕事でしょうか。

CG監督としてはまだまだ若輩者でございまして、私自身周りの人たちやスタッフに助けられているのであまり偉そうな事は言えませんが、作品に関わっているCGスタッフの方たちが作業をしやすいように必要な物を手配したり、作品を作る上での基本方針を考えたり、あとは作品を完成に持っていくまでのスケジュール管理とクオリティ管理をする仕事であると考えております。

本作ではどういった部分にCGが使われていますか。

アーティファクトの展開シーンやジュエルビースト戦、1話のトレントや9話以降に登場する珠魅たちの核や涙石のシーンなど、作画での表現が難しいところに使われております。

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本作のCG監督を務めるうえで、力を入れた点(こだわった点)はありますか。

アーティファクトの展開シーンに力を入れました。
原作となったゲームでもアーティファクトの展開シーンに力を入れていると感じましたので、どうすれば原作の展開シーンを再現できるのかに苦心をしました。1話の時はカメラワークからアーティファクトの登場の仕方、エフェクトを作る事がなかなか上手く行かず、更にはレンダリング時間が膨大にかかって大変な思いをした上で完成しました。展開シーンは担当スタッフも特に力を入れた、思い入れのあるシーンとなっております。

本作で特に注目して欲しい部分があれば教えてください。

やはりアーティファクトの展開シーンに注目をして欲しいです。
毎話数出て来るわけではないのですが、限られた時間の中でスタッフの方たちが苦労を重ねて頑張って作って下さいました。前の質問とも重複しますが、各アーティファクトの登場の仕方や登場時のエフェクトにも担当スタッフのこだわりが詰まっているので、そこに注目しつつ何度でもご覧になっていただけますと幸いです。

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本作を見てくれたファンの方々へ一言お願いします。

各スタッフ、こだわりの詰まった作品となっておりますので、原作ゲームをプレイした事がある方にも、そうでは無い方にも喜んでいただけておりましたら幸いです。また、これを機に原作ゲームをしていただき、「あっ、ここのシーンは3DCGでこういう風に表現していたのだな」と感じていただけたなら大変嬉しく存じます。


撮影監督内田奈津美(アニモキャラメル)

撮影監督とはどのようなお仕事でしょうか

作画、背景等の各部署からの素材を合成して映像にする作業が撮影という工程になります。
映像にする際に監督や演出家の方から映像のイメージ、方向性を事前に伺い
そのイメージに合わせて特殊加工や画面作りをしていくのが撮影監督の役割になります。

本作の撮影監督を務めるうえで、力を入れた点(こだわった点)はありますか。

画面作りもそうですが、所々にでてくる小物の処理は特にこだわりました。
アレクサンドルという珠魅のキャラクターがアレクサンドライトを核に持っているんですが、
この宝石は光や角度によって色が変わる特色があります。
その特色をどうやれば綺麗に再現できるか宝石の画像、動画を観察しました。
本物にはまだまだですが、動いた時の色の変わり方は綺麗にできたかなと思います。

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本作で特に注目して欲しい部分があれば教えてください。

シャイロの必殺技「地すり青眼」はゲームでの攻撃を思い出させるかと思います。
ゲームを楽しんでる方はワクワクしてくれるのではないでしょうか。

本作を見てくれたファンの方々へ一言お願いします。

『聖剣伝説 LoM』を観て下さりありがとうございます。
推しは居りましたでしょうか?
主要人物の他にも個性的なキャラがたくさんいます。
ユカちゃんやサザビー、バーテン等・・
ちなみに私はサボテン君と花人(おじいさんの方)推しです。
推しがまだ居ないようでしたら是非もう一度観て推しを見つけてみてください。

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音響監督土屋雅紀

本作の音響で、力を入れた点(こだわった点)はありますか。

音楽で言うと原作ゲームファンの期待を裏切らないように、聖剣伝説のイメージを維持しつつ新しい楽曲を作ってもらいました。ゲームで使われている曲がアニメでどれくらい使えるか、シーンによっては合わない場合もあるのでシナリオと睨めっこしながら苦労したのを記憶しています。
新しい曲は特に心情や状況に使う曲を多く作りました。
勿論下村さんは世界観を把握してらっしゃるので全く心配はしていませんでしたし、既存曲と新曲の融合も素晴らしかったですね。

本作のアフレコのディレクションで、力を入れた点(こだわった点)はありますか。

コロナ禍で分散収録にせざるを得ない状況でしたので、シャイロとセラフィナ、シャイロと瑠璃、それぞれの関係性だったり、深まっていく絆や複雑な感情がうまく絡むように注意していました。
また、珠魅達の悲しい境遇とサンドラの正義が伝わるように組み立てていきました。
見た目が可愛らしいキャラクターが多くコミカルに思いがちですが、みんな裏に悲しい部分を抱えているので、シリアスな部分が壊れないように和む部分の塩梅を気をつけていました。

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本作を見てくれたファンの方々へ一言お願いします。

実はオファーをいただいてから音響作業までの期間が短く、ゲームをプレイする時間がありませんでした。
そこで頼ったのがYouTubeです。ファンの皆さんのプレイ動画を見て音楽メニューを考えたり音楽ラインの参考にしました。
プレイ動画を上げていた方ならきっとアニメも見てくれたと信じています。皆さんのおかげで最後まで乗り切ることができました。本当にありがとうございました。


音楽下村陽子

原作ゲーム「聖剣伝説 LoM」制作当時の印象に残るエピソードはありますか。

レコーディングの思い出だったり、プロレスプロレス言われたことだったり笑、いろいろあるのですが…。
印象的だったのは、デモの締め切りがギリギリのときにとにかくなんでもいいから出そう、と、自分自身あまり納得していないデモを出してしまったことがあって、自分自身「やだなぁ」と思いながらそのデモをチーム主要メンバーと聴いていたのですが、そのとき、離れて座っていた河津さんが突然立ち上がって、「下村、本当にそれでいいの?」って言われたことがありました。それ以来、締め切りのために自分自身納得いっていない曲を無理やり出すことができなくなりました。締め切り守ってちゃんと納得した曲を書けるように今も修行中です笑。

「聖剣伝説 LoM」のアニメ化が決定した事を聞いた際の心境を教えてください。

もう、本当に驚きました!!ナンバリングでもないのに、何故!??って。しかも私が曲を書いていいのですかっっ!??と、終始驚きでした。

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今回、アニメ用に新たに楽曲を制作するにあたって意識した部分を教えてください。

やはり「聖剣伝説 LoM」が持つ世界観、そしてその世界を愛してくださっているプレイヤーの皆さまのことを考えました。ありがたいことに、原曲が当時から現在に至るまで嬉しいお声をいただくことが多いので、その方々にがっかりされないようにしようと、それを強く意識しました。

アニメ用とゲーム用の楽曲制作で、作り方に違いはありますか。

何度か既にお話ししたことがありますが、もっとも大きな違いが物理的にありまして、ゲームの曲はほとんどの曲に終わりがない(ループする)、アニメはすべての曲に終わりがあるということでしょうか。それ以外は作り方とかは私に取っては大きな違いはないように感じています。

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本作を見てくれたファンの方々へ一言お願いします。

アニメ『聖剣伝説 LoM』をご覧いただいた皆さま、ありがとうございました!!音楽も当時の音楽と新しい音楽、エンディングの日本語歌、などなど、楽しんでいただけましたでしょうか?今回のアニメは終わってしまいましたが、皆さまの心の中にある「聖剣伝説 LoM」の世界はずっとずっと続いていってくださると思っています。その長い旅路の中で、また皆さまに巡り会える日がいつか来れば嬉しいなと思います。ありがとうございました!

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アニメーションプロデューサー大上裕真

アニメーションプロデューサーとはどのようなお仕事でしょうか。

原作作品については、原作のイメージにあったメインスタッフの調整と現場のライン調整が主体的な業務になります。
クライアント様、委員会から頂く内容に従ってアニメ化の際にできることできないこと等の映像技術的な部分についてお話しすることもあります。

大上さんが普段、アニメーションプロデューサーとしてアニメを制作する際に意識している事はありますか。

原作がある作品については、作品のイメージを大切にしつつ映像化で元の原作では見れない映像表現の提案や、よりブラッシュアップされた所が見れるように、監督や各スタッフの力を出せるように現場を調整できればと思っています。

本作のアニメーションプロデューサーを務めるうえで力を入れた点(こだわった点)はありますか。

絵的なことであったり、音作り的なところは各監督陣に力を発揮していただいたので、極力皆さんの意図通りに近づく様に現場の取り回しに注力させていただきました。

本作で特に注目して欲しい部分があれば教えてください。

ゲーム本編ではわからなかったサンドラ側の動きについて、アニメーションでは女主人公を立てる形で物語を補っているのでサンドラ側の心情を見ていただいてから、ゲームの宝石泥棒編をプレイしてみると印象が違うかもしれません。

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本作を見てくれたファンの方々へ一言お願いします。

原作の「聖剣伝説LoM」は多くのファンの方がいて、各シナリオにそれぞれ思い入れがあるかと思いますが、今回は宝石泥棒編のアニメ化ということで、「聖剣伝説 LoM」の面白さのほんの一部しかお届けできていなかったと思います。また、機会を頂けましたら違うエピソードも皆様にお届けできればと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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